2020年1月21日「エースのジョー」の愛称で親しまれ、アクションスターとして日活の黄金期を支えた俳優の宍戸錠(ししど・じょう、本名同じ)さんが86歳で逝去されました。
宍戸さんといえば、その独特の「ほっぺ」。豊胸ならぬ、豊頬手術をした理由は?
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【画像】宍戸錠『ほっぺ』を整形手術!勝ち取った悪役
宍戸錠さん、お悔やみ申し上げます pic.twitter.com/pkyQLi7EzF
— リンゴ (@9ncOAnqR2pTtRDP) January 21, 2020
宍戸さんのかつてのトレードマークはぷくっと膨らんだ頬でした。
実は、この膨らんだ頬は生まれつきのものではなく、整形手術によるものだったのです。
宍戸さんは、日大芸術学部を中退。1954年に日活ニューフェイス第1期生としてデビューしました。
1955年には「警察日記」など数々の映画に出演。
しかし、1956年にデビューした年下の石原裕次郎さんたちの台頭と太陽族映画ブームの中では、線の細い正統派の二枚目だった宍戸さんは、なかなかブレイクできなかったといいます。
そこで、なんと整形手術を決心。1956年に頬に液状のパラフィンである「オルガノーゲン」を注入する整形手術を受けたのです。
その理由は、悪役向きの「ふてぶてしい風貌」にするため。二枚目路線からあえて外れて、俳優人生を歩むことを選んだのでしょう。
思惑が当たり、手術を機に、宍戸錠さんは悪役や殺し屋役で独自のポジションを勝ち取りました。
宍戸錠、小林旭 pic.twitter.com/x5F9u8BYG7
— 昭和の二枚目俳優bot (@joc_actors_bot) January 14, 2016
映画「殺しの烙印」から 宍戸 錠 さん。
予算獲得のため炊飯器と映ることになってもこの決め具合
日活ニューフェイス 第1期生で活躍し続けたエースの錠
…永遠に。 pic.twitter.com/omf8fiopsw— Hiroyuki Sumimoto (@spoon6443) January 21, 2020
1961年1月に石原裕次郎さんがスキーで骨折、2月には赤木圭一郎さんが事故死というタイミングも重なり、宍戸さんは「エースのジョー」として小林旭さん、二谷英明さんとともに、第2次日活ダイヤモンドラインの一角を占めるスターへとのし上がったのです。
【画像】宍戸錠は『ほっぺ』を摘出して萎んだ?
その後も『ほっぺ』と共に歩んできた宍戸錠さん。
母が、「宍戸錠って、若い頃に頬に尻の肉を入れたんだって~」と言っていた。 調べてみたら、「頬にシリコンを入れた」だった。 その話は母が小さい頃、父(僕の祖父)から聞いたとのこと。 幼かった母が「シリコン」という未知の言葉を聞き、「尻の肉」と脳内変換したと思われる。 pic.twitter.com/fbQ3d8X425
— ギョッツ2号 (@katochanpe_2) March 3, 2017
宍戸錠さん、逝去されたんですか…86歳。通称エースのジョーとして親しまれ、数々の映画シリーズ(渡り鳥、拳銃無頼など)でも話題になりましたね。晩年は御自宅が火災になるなど大変でしたが長年大変お疲れ様でした。御冥福をお祈り致します。必殺シリーズでは仕業人(悪役)と大老殺しに出演 pic.twitter.com/WB18jJMUlw
— 猫屋 (@necoya2011) January 21, 2020
ところが、宍戸さんは67歳のとき、2001年3月に頬のオルガノ―ゲンを44年と10カ月ぶりに摘出することに。
理由は飽きたから。著書「シシド 小説・日活撮影所」によれば、「シシドの顔はもう飽きた。ふくらんだ顔をしぼませて、古顔(オールドジョー)になりたい」という心境に至ったようです。
しかし、この手術にはリスクが伴っていました。
オルガノーゲンは長年の経過により石灰化して頬の皮膚に癒着してしまい、手術しても取り残して、がんの原因になったり、敗血症を招く恐れもあったそう。
そのため家族は猛反対。長男の開さんも「手術を強行するなら親子の縁を切る」と言っていたほどでした。
それでも、宍戸さんの元の自分を取り戻したいという意志は固く、2度の手術を強行。
摘出されたオルガノーゲンは固形になっていて、長さ9センチの大きさ。
宍戸さんは「まるで昔の着色されていないカズノコのよう」だったとコメントしていました。
手術後の頬がスッキリした宍戸さんの写真がこちらです。
すっきりした面持ちは、息子の開さんにそっくり。「二枚目スター」に戻っています。
宍戸さん自身も「オールドジョーになるつもりで手術したのに、若返っちゃったよ」と満悦だったようです。
ちなみに、こちらが息子の宍戸開さんの近影です。
胃内視鏡検査は異常なし❗️ピロリ菌もおらず一安心‼️ただ麻酔が効き過ぎたのかダル眠たいっす❗️ pic.twitter.com/iJplJU3ejM
— 宍戸 開 (@quai44) January 6, 2020
こちらは比較的、最近の宍戸錠さんの写真でしょうか。
宍戸錠『ほっぺ』の中身は火事で燃えた?
その後、宍戸さんに思わぬ不幸が襲います。
【ニュース】4日夕方、東京・世田谷区で俳優の宍戸錠さんの自宅やアパートなど合わせて4棟が焼ける火事がありました。
けが人はいないということで警視庁と東京消防庁が出火場所や原因を調べています。
#nhk— NHK@首都圏 (@nhk_shutoken) February 4, 2013
2013年2月に世田谷区の自宅が全焼してしまったのです。
火事当日は日活のパーティーに参加していて、現場に駆けつけたときは、自宅はほぼ焼け落ちた状態だったといいます。
宍戸さんは放火を主張していましたが、結局、原因は不明。
被害額は相当なもので、「家がなくなったのは困る。あと、これからあまり高いもの買えないな」と記者会見で語っています。
しかし、なにより残念だったのは、思い出の品とともに、ホルマリン漬けにしてとっておいた「頬の中身」も焼失してしまったことだとか。
俳優人生を支えてくれた「ほっぺた」は、宍戸さんにとってかけがえのないものだったのでしょう。
【画像】宍戸錠『ほっぺ』が支えた役者人生!現在その『中身』どこに?
「エースのジョー」の愛称で親しまれた俳優の宍戸錠さんが86歳で逝去されました。
宍戸錠さんといえば、ユニークなほっぺがトレードマーク。整形手術でスターへの道をつかみました。
ほっぺの「中身」は2001年に摘出。その後も大切に保管していたそうですが、残念ながら火事で燃えてしまったということ。
宍戸錠さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。