2019年の年の瀬に、驚きの逃亡劇を見せたカルロス・ゴーン元日産自動車会長。
現在のところ、レバノンに身を隠しているようですが、今後はいったいどうなる?
Contents
カルロス・ゴーンがレバノンに逃亡!
2019年12月30日、驚きのニュースが日本を駆け巡りました。
日産自動車の前会長で金融商品取引法違反などの罪で起訴され、保釈中のカルロス・ゴーン被告(65)が31日、日本を出国して中東レバノンへ渡航していたことが明らかになった。
レバノンから発表した声明でゴーン被告は、正義から逃げたのではなく「不公平と政治的迫害から逃げた」と説明した。
保釈の条件では、海外への渡航は禁止されている。ゴーン前会長が日本からどのように出国したかは不明だ。
引用元:https://www.bbc.com/japanese/50953796
保釈時の「変装」にも度肝を抜かれましたが、今回は映画さながらの逃亡劇でした。ゴーン逃亡わかりやすく解説!経路やパスポート&楽器箱の謎も【画像】
ゴーン逃亡で保釈金15億は没収に
まず、保釈時に支払っていた保釈金15億円は没収(正確には刑罰にあたらない「没取」)されることが決まっています。
会社法違反(特別背任)などの罪で起訴されていた日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)が中東・レバノンへ無断で出国したことを受け、東京地裁は31日、海外渡航禁止の保釈条件に違反したとして保釈を取り消した。東京地検が保釈取り消しを請求していた。保証金計15億円は没取される。
引用元:https://www.sankei.com/affairs/news/191231/afr1912310027-n1.html
保釈金とは、「もし逃げたら保釈保証金を取り上げるよ」という威嚇の意味を持ちます。
だからこそ、保釈保証金は被告の資産などを考慮し、「さすがにこれだけ積ませればて逃げないだろう」という金額に設定してあるはず。
しかし、15億円も多額の資産を抱えるゴーン氏にとって、たいした金額ではなかったことになります。
カルロス・ゴーンの逃亡先はなぜレバノンなのか?
逃走先にレバノンを選んだのは、両親が出身で本人もレバノンの国籍を持ち、幼少期を過ごしていた土地だから。
さらに、カルロスゴーンは、レバノンでは国際的な成功を収めたカリスマ経営者として人々から英雄視されています。
ゴーン被告の肖像画を郵便切手に採用するほどです。
さらに、去年12月、拘置所に勾留されていた際には地元企業がベイルート市内の複数の場所でゴーン被告への支持を表明する広告を掲げています。
ある記事では、このようにも語られていました。
友人の一人は「新年に訪れた奇跡だ」と歓迎し、「彼はいま、適切な保護下にある」と明かした。別の友人は本紙取材に「彼はレバノンだけではなく、日仏にとって偉大な経営者。母国で無実を証明すればいい」と話した。
引用元:https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/202001/CK2020010102000104.html
自身を擁護する風潮が強い土地で、無実を主張する道を選んだといえます。
海外メディアからもゴーン被告を擁護するコメントが多く出ています。ゴーン逃亡に海外の反応は?レバノンでは大統領候補?仏で82%賛成
ゴーンはレバノン逃亡で裁判はどうなるのか?『逃げ得』の可能性大
2020年春の裁判は白紙に?
ゴーン氏には敏腕弁護士団がバックについていて、東京地裁で着々と公判前整理手続が進められていました。
2019年12月25日にも公判前整理手続が行われ、ゴーン氏も出席。
2020年春には初公判が開催される段取りでしたが、今回の逃亡劇ですべてが「白紙」に戻ってしまいました。
担当の弘中弁護士も今回の逃亡は「寝耳に水」だったといいます。
このままだと弁護団はゴーン氏から解任されるか、自ら辞任することになる可能性もあります。ゴーン弁護士の弘中惇一郎は悪徳?悪い評判の理由はなぜ?真相は?
ゴーンは『逃げ得』になるのか?
他国との間で逃亡者の身柄を相互に引き渡す法的根拠となる「犯罪人引渡条約」。
実は、日本とレバノンはこの条約を結んでいません。
さらに、レバノンの大統領が自らゴーン氏と面会したという報道もされており、もし事実であれば、レバノン政府が自国民であるゴーン氏の身柄を日本に引き渡すことなど、まず考えられません。
もはや検察の手には負えないレベルの話になり、国と国との外交問題に発展する可能性も考えられます。
ただ、その場合もゴーン氏を連れ戻すことは、かなり困難だと言われています。
別の外務省幹部は一般論と断った上で「法務省と協議し、外交ルートを通じて引き渡しを求めることになるだろう。ただ、レバノン政府が応じず、『逃げ得』になる可能性がある」と述べた。
引用元:https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/202001/CK2020010102000104.html
特別背任罪や金融商品取引法違反の一審は被告人が出席しなければ裁判を進められず、判決も言い渡せないと定められています。
このままいけば、ゴーン氏が仮にレバノンで死亡した場合、公訴棄却となり、裁判手続は打ち切りとなるといいます。
【追記】
レバノンが引き渡し拒否?
1月3日配信のニュースでは、レバノン側がこのようにコメントしています。
退任予定のセルハン暫定法相はインタビューで、ゴーン被告の身柄引き渡しという日本の要求は拒絶されるだろうとし、この問題はレバノンの司法に委ねられることになると述べた~(中略)
「他国に敬意を払ってわが国が疑惑を捜査する」と述べた。
また、同じ記事には、「レバノン国営通信社NNAが、ゴーン被告に関して同国検察当局が国際刑事警察機構(インターポール)から『レッドノーティス(赤手配書』を受け取ったと伝えた」と報じられていました。
「赤手配書」とは?
検察は、警察の協力を得たうえで、国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)を介し、194の加盟各国に逃亡者の探索などを要請する「国際手配」が可能。
レバノンも加盟国の一つ。
中でも身柄の引渡しを前提として所在の特定や身柄の確保を要請する場合を「赤手配」と呼ぶ。
ゴーン元会長は記者会見で日本政府と全面対決か?
ゴーン被告は逃亡後、米国の代理人を通じて声明を出しています。
「今、レバノンにいる。私は基本的人権が無視されている日本の不正な司法制度の人質ではない。私は司法から逃げたのではない。不正と政治的な迫害を回避したのだ」
「ようやくメディアに自由に話すことができる。来週から始めるのを楽しみにしている」
レバノン現地の代理人によると、ゴーン元会長が1月8日に同国の首都ベイルートで記者会見を計画しているということ。
【追記】
1月6日に、アメリカのFOXビジネスはレバノンに出国したカルロス・ゴーン氏に直接取材したことを発表。
その中でゴーン元会長は、驚きの発言をしています。
- 東京地検特捜部による逮捕は、日産の会長から失脚させる社内のクーデターだった。
- それを示す証拠もある。
- みずからの逮捕・起訴の背後には日本政府の関係者もいた。
- 8日に予定される記者会見では、数人の実名を明らかにする方針。
ゴーン元会長は日産とルノーの経営統合を進めようとしていたことから「彼らは私を取り除きたかった」と述べたということ。
1月8日の記者会見の内容によっては、日産幹部や政府関係者との全面対決に発展するかもしれません。
まとめ ゴーン今後はどうなるのか?保釈金15億没収もレバノンで『逃げ得』
2019年末にハリウッド映画さながらの逃亡劇をみせたカルロス・ゴーン氏。
現在はレバノンに滞在、1月8日には記者会見を開催すると発表しているといいますが、ゴーン氏をめぐる問題は今後、どうなっていくのでしょう?
驚愕の映画化も?ゴーンが映画化計画?Netflixや堀江貴文とコンタクトで実現か