保釈中で海外への渡航を禁じられているにもかかわらずすでに日本を出国したことを明らかにした、日産自動車のカルロス・ゴーン元会長。
弁護団にとっても「寝耳に水」だったというこの逃亡劇への、海外の反応をまとめ、日々更新をしてています。
1月8日の記者会見の内容はこちら【簡単に】ゴーン記者会見内容を3分まとめ|公表の実名や逃亡方法は?
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カルロス・ゴーンがレバノンに逃亡!現地メディアの報道は?
ゴーン被告の逃走方法や経路などについては、日本当局が調査中ということですが、現地メディアは次のように報じています。
レバノンの主要テレビMTVによると、このグループはクリスマスディナーの音楽隊を装ってゴーン被告の滞在先に入り、楽器箱に隠して連れ出した。映画のような脱出劇で、日本の当局者は気付かなかったとした。その後に出国し、トルコ経由でレバノンに入国したが、その際はフランスのパスポートを所持していたと伝えた。
引用元:https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/202001/CK2020010102000104.html
ただし、このニュースに関しての情報源は明らかにしておらず、信ぴょう性は不明。
また、レバノン紙アフバルアルヨウムも「警備会社を使い、箱に隠れて密出国した」と報じています。
ゴーンのレバノン逃亡に海外メディアの反応は?
海外メディアでは、長期間にわたる勾留や有罪率の高さに注目し、「日本の司法制度に厳しい目が向けられている」と伝える傾向が強いようです。
ロイター通信
「ゴーン元会長の突然の逃亡は、日本の司法制度に厳しい視線を投げかけた。その司法制度とは、容疑者を長期間拘束し、1日8時間におよぶ取り調べの際に弁護士が立ち会うことを禁止する、というものだ」
フランスの経済紙レゼコー
「ゴーン氏の華々しい新展開」と伝え、未確認情報ながら「警戒が厳しい大きな空港を避け、人目につく機会が少ない小さな空港からプライベートジェット機で飛んだようだ」と報じた。
さらい「東京拘置所に108日間勾留されたことと、妻との接触を禁じたという保釈の条件の両方によって、日本の司法制度が注目された」とも。
イギリスの経済紙フィナンシャル・タイムズ
「もし、ゴーン元会長が日本に戻らなかったら、訴訟手続きは混乱に陥り、日産とケリー氏のみが裁判にかけられることになる」
フランスの有力紙ル・モンド
「ゴーン元会長は近く、記者会見を開き、彼を起訴した日本を攻撃するだろう」としたうえで、ゴーン元会長に対する監視体制について、「警察や弁護士などによって監視はされているが厳しいといえるものではなく、娘たちは定期的にゴーン元会長のもとを訪れていた」と指摘。
フランス左派紙ベラシオン
「裁判所による禁止に違反して出国した」「脱獄」などと表現するなど批判的な論調。
フランスでは82%が賛成?
1月5日の報道によると、フランスの有力誌フィガロがゴーン氏のレバノン逃亡について調査。
なんと、読者の82%がゴーンの逃亡に賛成しているとのこと。
この結果について、アジアタイムズ新聞は「弁護士が許されない取調べ室で、1日に16時間も続けて尋問され、暖房のない部屋で寝かされたり」など、フランス人の日本の司法制度に対する印象や意見は悪くなるのだろうと報じていました。
アメリカのウオール・ストリート・ジャーナル
「日本の司法制度に鑑みればゴーン被告が日本から脱出したことは理解できる」と伝えています。
ゴーンのレバノン逃亡に大使館などの反応は?
ブラジル、レバノン、フランスの国籍を持つゴーン被告。関係各所からのコメントは?
フランスのパニエリュナシェ副経済相
「非常に驚いた。昨夜、報道を通じて知った」
「ゴーン元会長は日本でもフランスでも法を超える存在ではない。ほかのフランスの市民と同じく法律を尊重する必要があり、一方でどのような状況でも大使館の支援を受ける権利もある」と強調。
(12月31日)現段階ではゴーン元会長からフランス政府に連絡はない。
レバノン大使館
NHKの電話取材に対して何もコメントしていません。
フランス大使館
「何も情報はない。コメントはできない」。
フランスルノー
ゴーン元会長が会長兼CEO=最高経営責任者を務めていたフランスの自動車メーカールノー広報担当者は、NHKの取材に対し「コメントすることはない」と回答。
ゴーンのレバノン逃走に現地の人々は?
両親の出身地でゴーン被告が少年時代を過ごしたレバノンでは、立身出世の「英雄」として被告を擁護する声が多いといいます。
友人の一人は「新年に訪れた奇跡だ」と歓迎し、「彼はいま、適切な保護下にある」と明かした。
別の友人は本紙取材に「彼はレバノンだけではなく、日仏にとって偉大な経営者。母国で無実を証明すればいい」と話した。
また、別のメディアではゴーン被告がレバノンで所有する住宅の近所住民にもインタビュー。
近くの商店を所有する50代の男性「(日本は)彼を不当に扱った。人は有罪が証明されるまでは無実であり、その逆ではない」と静かな口調で述べた。
隣接する建物に住む50代女性は、「彼にこんな扱いをすべきではない」と語り、「隣人の私たちは、彼に大きな敬意を持っている。レバノン人にとって、彼は成功の最たる模範だ」
引用元:https://www.afpbb.com/articles/-/3261803?cx_amp=all&act=all
一方で、「深刻なドル不足と政治エリート層の無能による腐敗」という、政治と経済の二重危機に見舞われているレバノンの活動家たちは、ゴーン被告の入国は、さらなる問題をもたらしたとも指摘。
ベイルート・アラブ大学のアリ・ムラード助教
フェイスブック「カルロス・ゴーンが突然、私たちの身に降りかかった。まるでこの国には泥棒がまだ足りないとでも言うかのように」
映画監督のルシアン・ブージェイリ氏
ツイッター「カルロス・ゴーンは声明で日本の『不正に操作された』司法制度から逃れたと述べた。それから居心地の良い、レバノンの『効率的な』司法制度にやってきた。ここでは巨額の公的資金が毎年横領されても、政治家が汚職で刑務所に入れられることは絶対にない」
引用元:https://www.afpbb.com/articles/-/3261803?cx_amp=all&act=all
批判的な意見もあるものの、ゴーン被告は、レバノンでは肖像画が郵便切手に採用されるなど、国際的な成功を収めたカリスマ経営者として人々から英雄視されています。
友人の一人もこう語るほど。
「ゴーンさんには様々な友人がいます。。レバノンでは大統領にと声があがるほどの人物です。おそらく、レバノンなどの政府の外交特権を駆使して出国させたのではないでしょうか」
引用元:https://dot.asahi.com/wa/2019123100013.html?page=2
去年12月、拘置所に勾留されていた際には地元企業がベイルート市内の複数の場所でゴーン被告への支持を表明する広告を掲げるなど、レバノン国内で擁護する風潮は強いと言えます。
ゴーン氏はどうやって逃亡した?ゴーン逃亡わかりやすく解説!経路やパスポート&楽器箱の謎も【画像】
まとめ ゴーンのレバノン逃亡に海外の反応は?現地では『大統領に』の声も
日本国内だけでなく、世界中を驚かせたカルロス・ゴーン被告の逃亡劇。
海外メディアからは、ゴーン氏個人というより日本の司法制度への批判的なコメントもあがっています。
果たして、今後、ゴーン氏の身柄はどうなっていくのでしょうか?注目が集まります。
ゴーン氏は「逃げ得」になるのか?ゴーン逃亡でどうなる?レバノンの記者会見で日本政府と『全面対決』か