番組「1番だけが知っている」などで取り上げられ、大きな話題となった多重人格者haruさん。
あまりの衝撃に、視聴者からは「やらせ?」「演技?」という声もないわけではありません。
しかし、haruさんのことを知れば知るほど、「やらせ」とは思えない背景がありました。
自分の中に性別が混在するharuさんの多重人格障害の原因は生い立ちにあったのです。
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「1番だけが知っている」の多重人格者haru(ハル)は解離性同一性障害
haruさんは、SE、保育士、塾講師をかけもちしながら、社会福祉士を目指し、通信制大学に通っている23歳。
高等専門学校3年生のときに「解離性同一性障害」と医師から診断を受けています。
解離性障害は、自分が自分であるという感覚が失われている状態。
たとえば、ある出来事の記憶がすっぽり抜け落ちていたり、まるでカプセルの中にいるような感覚がして現実感がない、いつの間にか自分の知らない場所にいるなど、様々な症状があります。
こうした中で、自分の中にいくつもの人格が現れるものを多重人格障害(解離性同一性障害)といいます。
ある人格が現れているときには、別の人格のときの記憶がないことが多く、生活面での様々な支障が出てきます。
参考:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_dissociation.html
実は3歳から自覚症状があったharuさんですが、病名を知らされた時は戸惑いを隠せませんでした。
「自分自身もこの病気に偏見がありました。多重人格なんてフィクションの中の、犯罪者を通じて描かれるような現象。でも主治医が、『交代人格は主人格を守るためにいるんだよ』と言ってくれて、受け入れられた。
交代人格は鬱がひどくなったり、『僕』が自死しそうになったときに助けてくれていた存在なんです」
引用元:mnsニュース
診断を受けた本人にも、にわかには受け入れがたい多重人格。ましてや、経験のない人には理解がしがたいものでしょう。
haruさんは以前、自身のツイッターで「解離性同一性障害」をわかりやすく説明していたことがありました。
「日常が途切れる世界」 pic.twitter.com/Tqlih5t563
— haru@メンタルなんにんもいる人 (@hr_3200) November 17, 2018
多重人格者haruの性別は?発症の原因は性同一性障害?
解離性同一性障害の発症には、子どもの頃の心的外傷(トラウマ)が深く関わっているとされています。
haruさんの場合は、幼い頃からの「生きづらさ」が原因でした。
エンジニアの両親は小2の時に離婚。それ以降祖父母とともに母の実家で暮らすようになり、父親は小6のときに亡くなっています。
その家庭環境のせいか、3歳くらいの頃から、すでに脳内に「自分ではない人の声」が聞こえていたといいます。
さらに、その頃から「性別違和」も感じ始めていたそう。
haruさんは、女性として生まれ、高等専門学校3年生のときに性同一性障害(GID)とも診断されました。
現在は、ホルモン治療などを経て、戸籍は女性ですが男性として人生を送っています。
2020年2月3日放送の番組「1番だけが知っている」では「2人の彼女ができた」と公表しているので、男性として恋愛をしています。
デート中にも人格が入れ替わるので、お相手もとまどいを隠せないようですね。
haruは「解離性同一性障害」を中学や高専時代に発症?
子どものときに経験した両親の離婚や父親の死、そして性別違和を感じる「生きづらさ」が次第にharuさんの別人格の存在を大きくしていきます。
そして、haruさんの中にいる「誰か」が、頻繁に現れるようになったのは、中学3年生のときでした。
学校でテストの答案を返却されると、覚えのない答えが書いてある、テストを受けた記憶もない。
「別の誰か」がテストを受けて、おまけに苦手だった理系の成績が上がっていく。
そんな不思議なことが、しばしば起きるように。
中学2年生ではうつ病と診断され、さらに高等専門学校3年生になった頃には、「僕」以外の人格でいる時間のほうが長くなったといいます。
授業開始時間に学校ではなく別の場所にいる、午後に学校を抜け出す、保健室や図書室に逃げ込むなどの自分自身の光景が断片的に脳裏に残る。
学校を飛び出て、ひたすら歩いている場面がスライドのように見え「いや、どこだよ」と心の中でツッコミを入れることもあった。
引用元:mnsニュース
テストは、自分よりも賢い「誰か」が受けているので成績に問題はなかったのですが、学校にいない日が続き、出席日数が不足するように。
異変に気付いたのは、haruさんの担任。障害者として診断が下りれば、出席日数不足に対処できるという理由で、haruさんに診断を受けることを勧めてくれました。
そして、医師から「解離性同一性障害」の診断を告げられることになったのです。
多重人格者haruの性別や年齢を超えた全10人格とは?
現在、haruさんの中にいる主人格以外の10人の交代人格は、ご本人の説明によると次のとおりです。
- 洋祐:「僕」と同い年で、交代人格のまとめ役。
- 結衣:16歳。交代人格の中で唯一の女性。体の性別に沿わせようと頑張った時期、彼女を生み出すことで女性として生きようとしたのでは。
- 悠:性別不明。鬱病で不登校になった時に形成。知らない間にリスカさせられた。
- はると:6歳。詳細は不明。
- 悟:13歳。中学に入学し、一生けん命適応しようと思っていた頃の人格。
- 圭一:25歳。学生時代、テストを代わりに受けて成績を維持していた存在。賢い。
- 航介:17歳。高専でロボットを作っていた時期にいたのではと推測される。
- 付(つき):気がついたときにいた。深夜に家を飛び出したりしていた頃の人格。
- 圭吾:19歳。他の人格から聞くところによると、変な人に絡まれるなど危ない局面で、まとめ役の洋祐が意図的に出せる唯一の人格。彼以外の人格はあっけにとられているが、圭吾は逃げたり振り払うことができる。「僕」が19歳の頃と関係しているかも知れないが、その時何があったか思い出せない。
- 灯真:年齢がなく、いつからいたか不明。真剣な雰囲気が苦手な「僕」の代わりに、彼が全部肩代わりしている。
結衣さんが唯一の女性。性別がわからない人格もいます。
人格どおしのケンカ?もあるようで、以前、結衣が買った嵐のDVDを圭一が売り、結衣が仕返しで圭一の漫画を売ったということも。
以前、番組に出演したときの動画です。9分40秒から、カメラの前で人格が入れ替わっているのがわかります。
にわかに信じがたい話ではありますが、これを「やらせ」や「演技」で表現できるとも思えません。
そして、haruさんには、去年の春、三つ目の症状である発達障害の診断が下りています。
現在は、薬物療法をしながら、同じように「生きづらさ」を感じている人々のための活動を続けているということです。
まとめ 多重人格者haru性別超えた男女全10人格とは?【1番だけが知っている】
番組「1番だけが知っている」など、メディアでもたびたび登場している多重人格者haruさん。
3歳の頃から「知らない誰か」の声が聞こえるようになり、高専時代には医師から「解離性同一性障害」の診断を受けています。
現在、haruさんの中にいる人格は、主人格の別に10人。それぞれに年齢や性別、キャラクターがあるようです。
haruさんは、薬物治療をしながら、「国内で気軽に会える多重人格の人」と自らを称し、SNSなどでさまざまな活動を続けています。